JR東日本はICカード「Suica」の利用可能駅をを山形県内で拡大し、奥羽本線・左沢線の21駅で2024年春以降から新たに利用できるよう準備を進めます。
Suica定期券にも対応
Suicaが利用できるようになるのは、奥羽本線のかみのやま温泉駅〜村山駅間および、左沢線の北山形駅〜寒河江駅間の各駅です。Suicaのチャージ残額でタッチして乗り降りできるようになるほか、Suica定期券も発売されます。サービス開始日やSuicaを購入できる駅など、詳細は決まり次第告知するとしています。
今回の拡大対象駅は、Suica仙台エリアの駅として追加され、同エリア内であればチャージ残額で乗車できます。なお、利用している定期券区間にSuica非対応駅が含まれる場合、Suica定期券の取り扱いは行われません。そのため例えば、仙台駅〜山形駅間(仙山線経由)の定期券の場合、途中に非対応駅が含まれるためSuica定期券の発行ができません。また、Suicaはエリア内完結の場合のみ利用可能で、首都圏・仙台・新潟の各Suicaエリアをまたがっての利用はできません(利用可能駅の路線図は下の図表を参照)。
地域型Suica「チェリカ」でも
JR東日本は、地方でのSuicaの利用場面を増やすよう取り組んでおり、関東・東北のバス事業者と提携して11種類の「地域連携ICカード」を発行しています。山形県内では、山交バス(本社:山形市)などと提携した「yamako cherica (ヤマコウ チェリカ)」、庄内交通(本社:山形県鶴岡市)と提携した「shoko cherica (ショウコウ チェリカ)」がともに2022年5月14日からサービス開始しています。バスや鉄道などの乗車券、コンビニエンスストアなどで使える電子マネーといったSuicaの基本機能に加え、バス定期券や各種割引制度など、地域ごとの独自サービスにも対応できるのが地域連携ICカードの利点です。
一方で、山形県下でSuicaを利用できるJR駅は現在、山形駅の1駅のみと限定的です。路線バスから先に整備されたこの地域のSuica利用網は、今回の利用駅拡大によりようやく鉄道も加わり、二次交通を含めたシームレスな移動ができる環境が整います。